記録映像データ詳細表示
作品No | sa-00053 |
ジャンル | 短編 |
作品タイトル | Living Arts of Japan 現代日本の美術工芸 |
フリガナ | ゲンダイビジュツノニホンコウゲイ |
製作会社 | 桜映画社 |
スポンサー | 外務省 |
製作年 | 1963年 |
月 | - |
日 | - |
分数 | 28分 |
色 | カラ― |
言語 | 英語版・フランス語版・スペイン語版・ドイツ語版・ポルトガル語版・日本語版 |
カテゴリー | 工芸・人間国宝・日本美術・記録 |
シノプシス | 昭和30年代は日本の伝統工芸の輝かしい復興期であった。当時の代表的な作家達の手わざを記録した貴重な作品である。 |
映像内容 | 日本の伝統的な美術工芸は、それを生活の中においてみると、その美の特質がよくわかる。日本座敷の床の間は、美術工芸品の美を味わう場所でもある。日本人はこうした美術工芸品を心の糧ともし、使う楽しさを味わってきた。 その工芸品の作家を訪ねてみる。昔から素朴な陶器を作り続けてきた村、益子に住みついている陶芸家の浜田庄司は、民芸の伝統を探りながら独自の創作をしている。ロクロの上で壺を作るその手の動きを見ていると、左の手は右の手に連れ添って互いに手を取り合って踊るように美しい形になっている。登り窯から出た素焼きの壺や皿を一つ一つ手に取って筆で絵付けをする。無造作に素早く一気に描く。日本の工芸作家の面白さは、デザインするだけでなく、自ら素材に取り組んで個性的な味わいを創り出すところにある。 清水焼きの窯が集まる京都の街の一隅に工房を持つ富本憲吉の色絵磁器は、骨太な浜田とは対照的に繊細な模様が美しい。色絵磁器は九州の有田や金沢の九谷では伝統の模様を写し、分業で制作されている職人芸だが、富本は「模様から模様を作らず」と、周辺の自然の写生から数多くの模様を創作してきた。 京都は工芸の町でもあるが、そのひとつに友禅染めもある。京友禅の作家、森口華弘のエ房は古い町並みの中の表は格子戸の町家である。仕事場は広い2階にあり、下が家族の住まいになっている。友禅は手描き模様である。森口の友禅染めの第一歩は、白絹の生地を仮に着物に仕立てて、その白い着物にじかに模様を線描きするところから始まる。描き終えると、それを解いて布地に戻して、弟子たちと分業で色差しをする。色を差しそれを糊で伏せて、最後は流水で糊を落とすと鮮やかな模様が現れる。 京都の郊外には、美しい竹林がある。竹工芸作家、田辺竹雲斎の手わざを見る。作るのは、床の間に置く大きな花生けの籠であった。弾力に富む固い竹を割り、さらに細かく割って、自由に造型していくところが面白い。しかも素材の味が生かされている。 漆の工芸品は昔、ヨーロッパでジャパンと呼ばれたように、湿度の高い日本の風土に適して各地に発達した。中でも見事なのは蒔絵である。蒔絵の第一人者松田権六も、現代の名匠と呼ぶのにふさわしい。蒔絵は何十回も塗り重ねた黒漆の上に施される。まず模様の下絵が描かれ、金銀を蒔く部分には赤漆を置く。制作は障子を立て切った狭い工房で行なわれる。少しの空気の動揺にも軽い金粉が舞い立つからである。黒い漆の肌に色漆や金銀や美しい貝で、刺青(いれずみ)を刺すように蒔いていく。最後にその上に黒漆をかけ て、乾いたところで研ぎだす。燦然と現れる花や鳥の模様は目を奪うばかりに美しい。 版画では江戸時代の浮世絵版画が古くから知られてきた。江戸の版画は肉筆の画、彫り、刷りと分業だが、棟方志功はそれらの作業を一貫してやる。それがまた一気呵成の凄まじいばかりの仕事ぶりで、造形も色彩もたくましく、彼の生まれ故郷の祭り「ねぷた」の山車(だし)と共通するものがある。そのエネルギッシュな土俗性が、戦後早く国際的に認められる独自の魅力になった。 日本の伝統工芸には、手描きの画が多く、画が描けるということが尊ばれる。最後に日本画の代表的な画家、前田青祁の画室を訪ねた。和室に広い座卓を置いて、その上に、特別に作らせた薄くて丈夫な和紙を拡げて描く。刷毛で水を刷いては絵具を垂らし込み、他の筆で散らし、その彩色が乾いて定着したところでまた濡らしては他の色を塗り重ねていく。「たらし込みの技法」といわれる日本画の伝統的な技法である。 01:00:29:08 - 01:00:51:09 美術館の表 全景 01:00:51:09 - 01:01:19:25 庭園 植木、石燈籠、庭石 01:01:19:25 - 01:01:47:25 座敷 床の間、掛軸、活け花 01:01:47:25 - 01:01:55:00 座敷 木彫りの像、飾り筥 01:01:55:00 - 01:02:01:17 失透釉壷 01:02:01:17 - 01:02:04:18 主人 客をもてなす 01:02:04:18 - 01:02:56:23 はりぬき菓子器 01:02:56:23 - 01:03:05:02 障子越し軒下の大鉢 飴釉十字文皿 01:03:05:02 - 01:03:40:01 浜田屋敷主屋全景 01:03:40:01 - 01:05:43:22 ロクロで素材と取り組む 01:05:43:22 - 01:06:26:27 絵付け 01:06:26:27 - 01:06:36:19 窯だき 01:06:36:19 - 01:06:39:07 掛分釉壷 01:06:39:07 - 01:06:42:01 瑠璃塩釉花瓶 01:06:42:01 - 01:06:49:05 失透釉格子文角皿 01:06:49:05 - 01:06:55:07 京都市街 01:06:55:07 - 01:07:21:29 富本家工房 絵付け 01:07:21:29 - 01:07:47:00 竹林月夜 01:07:47:00 - 01:08:45:19 色絵金銀彩飾壷 01:08:45:19 - 01:09:19:25 色絵金銀彩飾皿 01:09:19:25 - 01:09:42:08 森口家 表 01:09:42:08 - 01:10:28:19 下絵描き 01:10:28:19 - 01:11:15:10 色ざし 01:11:15:10 - 01:11:55:02 蒔糊 01:11:55:02 - 01:12:15:21 地染め→糊おとし 01:12:15:21 - 01:12:34:05 友禅訪問着「梅林」「早春」 01:12:34:05 - 01:12:39:26 蒔絵鷺文飾棚 01:12:39:26 - 01:14:06:29 漆の下絵描く 01:14:06:29 - 01:16:09:22 金粉を蒔く 01:16:09:22 - 01:16:46:15 研ぐ 01:16:46:15 - 01:17:13:27 蒔絵有職文飾筥 01:17:13:27 - 01:17:19:03 蒔絵猤鏤鳥文棗 01:17:19:03 - 01:17:49:22 「瀬戸黒茶碗」 01:17:58:02 - 01:18:10:24 竹懸花生 01:18:10:24 - 01:18:17:07 花篭「あんこう」 01:18:17:07 - 01:19:56:28 竹を編む田辺さん 01:19:56:28 - 01:20:03:10 竹華器「怒涛」 01:20:03:10 - 01:20:06:22 「色つき女の顔」 01:20:06:22 - 01:20:10:02 「バラライカの女」 01:20:10:02 - 01:20:12:09 「わし」 01:20:12:09 - 01:21:16:29 下絵描く棟方さん 01:21:16:29 - 01:23:36:19 彫る 棟方さん 01:23:36:19 - 01:23:41:29 「菩薩」 01:23:41:29 - 01:23:49:24 「十大弟子」 01:23:49:24 - 01:24:34:13 下絵描く前田さん 01:24:34:13 - 01:26:58:07 デッサン帖 木曽路 01:26:58:07 - 01:27:16:22 「唐獅子」 01:27:16:22 - 01:27:27:27 「洞窟の頼朝」 01:27:27:27 - 01:27:34:25 「紅白梅図」 01:27:46:06 - 01:27:53:17 染付柘榴文壷 01:27:53:17 - 01:28:04:20 曲輪造彩金盛器 01:28:04:20 - 01:28:38:17 黄銅蹴彫線文長手筥 |
地域情報 | 東京都/益子/京都府/鎌倉市/大分県 |
スタッフ | 原案:岡田譲 製作・脚本・演出:村山英治 撮影:木塚誠一 音楽:間宮芳生 照明:内藤伊三郎 編集:長谷川宣人 助監督:長井博 製作主任:大口和夫 解説:ウィリアム・ムーア(英語版) |
受賞歴 | 第7回日本紹介映画コンクール金貧 第9回サンフランシスコ国際映画祭ゴールデンゲイト賞 第4回カンヌ青少年向国際映画祭優秀作品賞 1964年アルゼンチン・コルドバ国際実験記録映画祭最優秀美術記録映画賞 1964年コンゴ国際短篇映画祭美術部門優秀作品賞 |
画面サイズ | |
備考・関連情報 | 〔出演〕 香川京子/三宅邦子 他 〔出演の作家〕 浜田庄司(陶器) 富本憲吉(磁器) 森口華弘(友禅) 松田権六(蒔絵) 田辺竹雲斎(竹工芸) 棟方志功(版画) 前田青邨(日本画) |
参考画像 |
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フィルム原版 | 35mm |
ライブラリー窓口会社 | 桜映画社 |
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公開動画 |