記録映像データ詳細表示
作品No | sa-00204 |
ジャンル | 短編 |
作品タイトル | 日本の美術工芸 その手わざと美 |
フリガナ | ニホンノビジュツコウゲイ ソノテワザトビ |
製作会社 | 桜映画社 |
スポンサー | 外務省 |
製作年 | 1981年 |
月 | - |
日 | - |
分数 | 28分 |
色 | カラー |
言語 | 日本語版 |
カテゴリー | 文化・伝統・美術・工芸・芸術・記録 |
シノプシス | 昭和30年代は、日本の伝統工芸の輝かしい復興期となった。この映画は、当時の代表的な作家の手わざを記録した貴重な作品である。浜田庄司(陶器)、富本憲吉(陶器)、森口華弘(友禅)、松田権六(うるし)、田辺竹雲斎(竹工芸)、棟方志功(版画)、前田青邨(日本画)と、各界の第一人者を訪ね、すぐれた作品をうみだす人と技術の高度な結びつきを紹介しながら、日本独特の美の誕生の秘密を探る。 |
映像内容 | 日本の伝統的な美術工芸は、それを生活の中においてみると、その美の特質がよくわかる。日本座敷の床の間は、美術工芸品の美を味わう場所でもある。日本人はこうした美術工芸品を心の糧ともし、使う楽しさを味わってきた。 その工芸品の作家を訪ねてみる。昔から素朴な陶器を作り続けてきた村、益子に住みついている陶芸家の浜田庄司は、民芸の伝統を探りながら独自の創作をしている。ロクロの上で壺を作るその手の動きを見ていると、左の手は右の手に連れ添って互いに手を取り合って踊るように美しい形になっている。登り窯から出た素焼きの壺や皿を一つ一つ手に取って筆で絵付けをする。無造作に素早く一気に描く。日本の工芸作家の面白さは、デザインするだけでなく、自ら素材に取り組んで個性的な味わいを創り出すところにある。 清水焼きの窯が集まる京都の街の一隅に工房を持つ富本憲吉の色絵磁器は、骨太な浜田とは対照的に繊細な模様が美しい。色絵磁器は九州の有田や金沢の九谷では伝統の模様を写し、分業で制作されている職人芸だが、富本は「模様から模様を作らず」と、周辺の自然の写生から数多くの模様を創作してきた。 京都は工芸の町でもあるが、そのひとつに友禅染めもある。京友禅の作家、森口華弘のエ房は古い町並みの中の表は格子戸の町家である。仕事場は広い2階にあり、下が家族の住まいになっている。友禅は手描き模様である。森口の友禅染めの第一歩は、白絹の生地を仮に着物に仕立てて、その白い着物にじかに模様を線描きするところから始まる。描き終えると、それを解いて布地に戻して、弟子たちと分業で色差しをする。色を差しそれを糊で伏せて、最後は流水で糊を落とすと鮮やかな模様が現れる。 京都の郊外には、美しい竹林がある。竹工芸作家、田辺竹雲斎の手わざを見る。作るのは、床の間に置く大きな花生けの籠であった。弾力に富む固い竹を割り、さらに細かく割って、自由に造型していくところが面白い。しかも素材の味が生かされている。 漆の工芸品は昔、ヨーロッパでジャパンと呼ばれたように、湿度の高い日本の風土に適して各地に発達した。中でも見事なのは蒔絵である。蒔絵の第一人者松田権六も、現代の名匠と呼ぶのにふさわしい。蒔絵は何十回も塗り重ねた黒漆の上に施される。まず模様の下絵が描かれ、金銀を蒔く部分には赤漆を置く。制作は障子を立て切った狭い工房で行なわれる。少しの空気の動揺にも軽い金粉が舞い立つからである。黒い漆の肌に色漆や金銀や美しい貝で、刺青(いれずみ)を刺すように蒔いていく。最後にその上に黒漆をかけ て、乾いたところで研ぎだす。燦然と現れる花や鳥の模様は目を奪うばかりに美しい。 版画では江戸時代の浮世絵版画が古くから知られてきた。江戸の版画は肉筆の画、彫り、刷りと分業だが、棟方志功はそれらの作業を一貫してやる。それがまた一気呵成の凄まじいばかりの仕事ぶりで、造形も色彩もたくましく、彼の生まれ故郷の祭り「ねぷた」の山車(だし)と共通するものがある。そのエネルギッシュな土俗性が、戦後早く国際的に認められる独自の魅力になった。 日本の伝統工芸には、手描きの画が多く、画が描けるということ が尊ばれる。最後に日本画の代表的な画家、前田青祁の画室を訪ねた。和室に広い座卓を置いて、その上に、特別に作らせた薄くて丈夫な和紙を拡げて描く。刷毛で水を刷いては絵具を垂らし込み、他の筆で散らし、その彩色が乾いて定着したところでまた濡らしては他の色を塗り重ねていく。「たらし込みの技法」といわれる日本画 の伝統的な技法である。 |
地域情報 | 東京都/益子/京都府/鎌倉市/大分市 |
スタッフ | 原案:岡田 譲 製作・脚本・演出:村山英治 撮影:木塚誠一 音楽:間宮芳生 照明:内藤伊三郎 編集:長谷川宣人 |
受賞歴 | 文部省選定 日本紹介映画コンクール金賞 サンフランシスコ国際映画祭最高賞 カンヌ青少年向国際映画祭優秀賞 |
画面サイズ | |
備考・関連情報 | Living Arts of Japanの日本語版 〔出演の作家〕浜田庄司(陶器) 富本憲吉(磁器) 森口華弘(友禅) 松田権六(蒔絵) 田辺竹雲斎(竹工芸) 棟方志功(版画) 前田青邨(日本画) |
参考画像 |
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フィルム原版 | 35mm |
ライブラリー窓口会社 | 桜映画社 |
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公開動画 |