記録映像データ詳細表示
作品No | sa-00114 |
ジャンル | 短編 |
作品タイトル | 色鍋島 |
フリガナ | イロナベシマ |
製作会社 | 桜映画社 |
スポンサー | 文化庁 |
製作年 | 1973年 |
月 | - |
日 | - |
分数 | 29分 |
色 | カラー |
言語 | 日本語版・英語版・タイ語版・スペイン語版・ドイツ語版・ポルトガル語版・イタリア語版・インドネシア語版 |
カテゴリー | 美術工芸・人間国宝・伝統工芸・陶芸・色鍋島・記録 |
シノプシス | 重要無形文化財 色絵磯器「色鍋島」の歴史と技術記録 |
映像内容 | 色鍋島は、文様、色彩ともに優雅な色がある。文様も、染付(藍)や赤絵の重ね方も、江戸時代の染織の技法に通じるものがある。工程数が多く統一性のある見事な分業で、元禄から享保期に完成された江戸の工芸技術の粋を示すものである。「手わざにつながる技術は、一度絶えるともう二度とかえってこない」と、この優れた伝統技術を守ることの大切さを、映画は静かに訴えている。 18世紀はじめの色鍋島最盛期の見事な作品を生んだ九州の鍋島藩窯の跡を訪ねてみる。その色絵の技術を、今に受け継ぐ有田市赤絵町の今泉今右衛門の工房にカメラを据えた。 石を細かく砕いて土にし、さらに練りに練って、ロクロにかける。まず、成形である。牛の舌と呼ばれる長い伸(のべ)ベラでひろげ、押ベラで仕上げる。それを乾かして素焼きしてから、下絵付けにかかる。昔から線描きは男の仕事、線の中に絵具を塗るのは濃み(だみ)といい、女の仕事である。どの工程をとっても道具と職人の手が一体になった手仕事の息遣いが微妙に感じられる。下絵は青く発色する呉須(ごす)で描く。終わると、釉薬(うわぐすり)をかけて本窯で焼く。色鍋島の地肌の美しさは杵灰釉(いすばいゆう)でなくてはできないという。鹿児島県大隅半島に繁茂している杵の木の皮を灰にし、その微粒子を、長石などから調整した釉薬と調合する。本焼きの窯詰めは大事な仕事なので、窯元が先に立って積む位置を決める。 陶工たちが一番緊張するのはこの本窯で、はじめの焙り焚きが16時間、900度で釉薬が溶けてガラス状になる。次が攻め焚きで19時間、最後のあげ火が5時間で、この時窯の中は1300度を超える。頃合をみて、今右衛門さんが覗き孔(見通しという)からあげ火を覗いて、小さなテスト・ピースを取り出すと真っ赤なのが見る間に冷えて、呉須(染付)の画が現れる。皆、息をのむ瞬間である。三日後、窯の冷却を待って窯出しが行なわれる。今右衛門さんが一つ一つ手に取って点検する。堅い素地の下絵が鮮やかに発色している。これを上絵(赤絵)の工房(絵書き座)に運ぷ。 色鍋島に用いる上絵具の精製には今泉家だけに伝わるタテワケの技法がある。昔は赤絵の秘密を守るために家督相続は殊のほか厳しく、一子相伝の形で伝承されてきた。絵具は摺れば摺るほどよく、上絵の職人たちにとって、絵具の摺り合わせは日に何遍も長時間繰り返す大切な仕事である。ここでも線描きは男手、濃みは女手だが、上絵濃みの老婦人の熟練しきった筆さばきが印象的だった。色鍋島の精巧さは、藩窯時代以来一貰して統一性のある分業によって保たれてきた。 出来上がった作品は、その形や模様といい、伝統の五彩の鮮かな調和といい、練りぬかれ完成した端麗な美しさがある。 芙蓉図大鉢 宝づくし文八角皿 青海波文水草せきれい図皿 大川内藩窯跡 有田赤絵町 工房 全景 水車 スタンパー 水簸法 土締機 足踏みによる精土足踏み ロクロ作業 型づくり 仕上げ 今泉さん検査 水拭き 窯詰、焼成 絵具の調整、下絵付け、線描き、墨はじき、濃み(だみ)うするり法 釉薬の調合/施釉する 窯詰め、せめ、あげ火、あげて見、窯出し たてわけ、花うき、かす、上絵具のすり合せ 擦り起し、赤の線描き、上絵濃み、毛筆書き 窯詰(電器窯)窯出し 芙蓉図大鉢 |
地域情報 | 佐賀県/有田町 |
スタッフ | 製作・脚本・演出:村山英治 撮影:木塚誠一 助監督:川田一郎 照明:山根秀一 編集:長谷川宣人 音楽:長沢勝俊 解説:観世栄夫 |
受賞歴 | 文部省特選 第28回芸術祭大賞 1973年教育映画祭最優秀作品賞・文部大臣賞 第28回毎日映画コンクール教育文化映画賞 第29回東京都教育映画コンクール最優秀賞 第17回国際ゴールドマーキュリー賞(イタリア) 1973年キネマ旬報ベストテン第2位 |
画面サイズ | |
備考・関連情報 | 出演:今泉今右衛門(12代人間国宝) 他 |
参考画像 |
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フィルム原版 | 35mm |
ライブラリー窓口会社 | 桜映画社 |
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公開動画 |